中性脂肪を減らす薬は、何種類かあります。
薬物療法を始める前に注意点があります。
それは何かというと…
日常生活は規則正しく送っていますか?
食事療法・運動療法を併用すると少量の薬で効果が出ます。
いくら薬を飲んでも体に負担をかける生活習慣を改めないと
いつになっても中性脂肪の値は正常値に近づきません。
それは汚い水を浄水器の中へ入れ、ろ過したきれいな水を
飲んでいるようなもので、根本的な解決には遠いです。
また食生活も暴飲暴食は厳禁です。
ただあれもだめ、これもだめと制限がありすぎると
ストレスが溜まってしまいます。
最初はゆるゆる制限で、守れなくても
「そんなときもあるさ」と神経質すぎないことが
中性脂肪値を減らす食生活スタートには効果的です。
そしてご存じの通り、薬に副作用はつきものです。
素人考えで一人で判断せず、必ずお医者さんの診断のもと
慎重に薬を飲むようにしましょう。
お医者さんへ行く時に必ず準備して欲しいのがお薬手帳です。
今までどんな薬を飲んでいたのかを踏まえて
中性脂肪値を減らすための方法を考えてもらうには大切な情報です。
もし今まで飲んで体調を崩したことある薬があれば、
詳細をお医者さんに伝えて下さい。
直接は関わりはなくても自分の体は自分で守るべきです。
薬は基本自分では選べません。
しかし自分が口にしている薬の効用は
ざっくりとでもいいので一度は確認しましょう。
【中性脂肪値を下げる主な薬 効果と副作用 五十音順】
・EPA「エイコサペンタエン酸」の略称
いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつ
効果
中性脂肪値を下げる他、動脈硬化の進行を遅くする
副作用
出血性の病気がある人は医師と相談必要
・エゼチミブ(商品名:ゼチーア)
効果
エゼチミブは、小腸のコレステロール吸収をを阻害、
スタチン系薬剤と併用すると、高い効果を期待できる
副作用
腹痛、便秘・下痢など腸の調子に注意が必要
稀に横紋筋融解症(筋肉を作る骨格筋細胞に異変が起こり、
筋肉の成分が血液の中に流れてしまう症状)になることもある
・コレスチミド
効果
食べた食材のコレステロールを吸収し、コレステロールを下げる
高コレステロール血症の治療に使用
副作用
かゆみ、発疹などのアレルギー症状。腸閉塞。
・スタチン系薬剤(商品名:プラバスタチンNa)
効果
肝臓で作られるコレステロール合成を抑え、
悪玉コレステロールを下げる
狭心症・心筋梗塞など動脈硬化関連の病気再発防止
副作用
肝臓の調子が悪くなる、稀に横紋筋融解症
・ニコチン酸誘導体
効果
中性脂肪値を下げる、コレステロールの合成を押さえる
副作用
ほてり、かゆみ、糖尿病治療の人は医師と相談必要
・フィブラート系薬剤(商品名:ベザトールSR、リピディル等)
効果
コレステロールを合成させないようにしたり
トリグリセリド(中性脂肪)の分解促進作用などにより、
血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、
善玉コレステロールを増やす
副作用
腎臓の機能障害、腹痛、貧血、尿酸上昇、不眠など
・プロブコール
効果
スタチン系薬剤同様肝臓で作られたコレステロールの一部は
胆汁酸という物質に変わって胆汁として排泄
この排泄を促し、血液中のコレステロール量を下げる
副作用
食欲不振、下痢、腹痛、吐き気、
稀に発疹、痒み
稀に心室性不整脈、横紋筋融解症(手足に力が入らない)
中性脂肪を下げるのに一番億劫なのが、
痛くも痒くもないので薬を飲む必要性がわかりにくいこと。
ただ、毎食後ではなく1日1回で済む薬が多いことが救いでしょうか?
1ヶ月から2ヶ月様子を見て経過をチェックしていきます。
早い人で1ヶ月位で中性脂肪値が減り始めます。
個人差がありますが、加齢に伴って体質や生活リズムが変わり、
体重が落ち着き、中性脂肪値が落ち着く人も珍しくありません。
中性脂肪の薬は飲み忘れても大きな変化が現れるわけではありません。
それだけ気が楽な分、飲み続ける意味を素直に受け止められない日が
来ても不思議ではありません。
ピンピンころり、寝たきりではなく、元気で毎日を過ごし、
眠るように死ぬことができたらって昔から思っています。
そのためには、体の各パーツのメンテナンスは
お金と時間をかけても行ったほうがいいです。
中性脂肪の薬に限らず、服薬中に妊娠がわかったら
すぐに主治医に相談し今後どうすればよいのか
話しあって下さい。
また思うようにお医者さんと相談できず
診療自体は数分程度という状況の病院は
思い切ってセカンドオピニオンを聞くために
新たなお医者さんを探すのもありです。
まとめ
主治医から中性脂肪を減らすためには
薬物療法を勧められたら、まずお薬手帳を探し、
いつでも見せられるよう、外出時はカバンに入れておきましょう。
市販されているよりも、
各々にあった薬を処方してくれるはずです。
薬物療法を行い始めたら、
「3ヶ月」は続けることを覚悟を決めます。
薬だけではなく、簡単な食事療法と運動も続けていきます。